ユニセフ(国連児童基金)・WHO(世界保健機関)は、小児保健、子どもの幸せにとって、最も必要なものは母乳育児であるという基本的理解のもとで、1989年3月に世界中の産科施設に対して「母乳育児を成功させるための10ケ条」という共同宣言を勧告しました。
1991年7月、開発途上国の乳幼児の健康維持をはかることを目的として、10ケ条を採用して実践する産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院」(Baby Friendly Hospital:BFH)に認定するという方針を決め、母乳育児のさらなるキャンペーンを展開し続けています。
当院は、1998年に認定された、大分県で唯一のBFHの認定医院です。
母乳育児を成功させるための10ケ条
(ユニセフ・WHOによる共同声明)
<この10カ条は、お母さんが赤ちゃんを母乳で育てられるように、産科施設とそこで働く職員が実行すべきことを具体的に示したものです>
- 母乳育児推進の方針を文章にして、すべての関係職員がいつでも確認できるようにしましょう。
- この方針を実施するうえで必要な知識と技術をすべての関係職員に指導しましょう。
- すべての妊婦さんに母乳で育てる利点とその方法を教えましょう。
- お母さんを助けて、分娩後30分以内に赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。
- 母乳の飲ませかたをお母さんに実地に指導しましょう。また、もし赤ちゃんとお母さんが離れる場合にも、お母さんに母乳の分泌維持の方法を教えましょう。
- 医学的に必要でないかぎり、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。
- お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施しましょう。
- 赤ちゃんが欲しがるときは、いつでもお母さんが母乳を飲ませてあげられるようにしましょう。
- 母乳で育てている赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。
- 母乳で育てるお母さんのために支援グループ作りを助け、お母さんが退院する時にそれらのグループを紹介しましょう。